こんばんは。
前回のコミュニケーション上手の秘訣その2です。
前回は
「相手のリソース(資源)」を探しながら
フィードバックしながらコミュニケーションをとることが
とても大切というお話をしました。
今日お伝えしたいことは、これです。
「相手に期待する」(信じる)ことができれば
自然とそういった方向に相手を導くことに繋がり
非常にお互いの関係が満たされて、
善いものになっていくのです。
文字で書くと
何だかありきたりのように思えますが
少し、解説したいと思います。
よく、「あげまん」「さげまん」という言葉が
パートナーシップを語るときに
出てきたりしますが、
これができれば、基本的に
「あげまん」に必ずなれるのではないかと
私は思っています。
それくらい、本当に重要なことだと思います。
Snyder(1977)は、大学生の男女にある実験をしました。
その実験では、互いに顔を知らない大学生を男女1名ずつのペアに分け、
顔を合わせないで電話ををしてもらいました。
このとき、実は、男性には相手の女性のさまざまな情報が与えられていて、
その中には女性の顔写真も含まれていたのですが、
半数の男性には、「魅力的な女性」の写真を、
他の半数には「魅力的でない女性」の写真を渡していたのです(実際の相手ではなく、ランダムにです)。
すると、魅力的な女性の写真を渡された男性は、
魅力的でない女性の写真を渡された男性よりも、
相手の女性を、「温かく、チャーミングで、ユーモアがある」と評価したのです。
一方、魅力的ではない写真を渡された男性は相手を「冷たく、ぎこちない話し方、ユーモアがない」
と評価をしました。
ここまでの結果を見ると、
「なんだ、結局男は顔で判断するのか。。」
とイライラ、がっかりする気持ちになってしまうばかりですが・・・・。
ただ、この実験には続きがあり、
録音された2人の会話の中で、女性の発言だけを
全く別第三者のの男性に聞いてもらい評定してもらったのです。
第三者の男性は女性の写真を見ていないのですが、
その結果もやはり同じで、
会話の相手の男性に魅力的だと思われていた女性は、
魅力的でないと思われていた女性よりも、
「温かく、チャーミングで、ユーモアがある」性格と評価されたのです。
これは、魅力的な女性の写真を渡された男性が
相手の女性に対して、無意識に内面的にも魅力的な部分を引き出すような会話を
していたからだと考えられています。
つまり、実際にはその写真は相手のものではなく嘘のものだったのですが、
「この女性は素敵なのだろう」という期待が、たとえそれが思い込みであったとしても
相手に投げかけられると、
実際の相互作用として、相手の良い面を引き出すことに繋がっていくのです。
事前の男性の意識(思い込み)によって、
それぞれその女性が魅力的に見える部分、
またはあるいは魅力的に見えない部分が引き出されていたのですね・・・。
何らかの予期が単なる思い込みだったとしても、
意識的、無意識的に
その予期を実現するような行動をとることによって現実になる
のです。。。
そう考えると人間の意識って、本当にすごい威力ですよね・・・・。
思い込みであったとしても、期待や予期をすれば
脳が勝手に反応して、行動を起こし、結果実現してしまうのですから・・・。
社会心理学ではこのことを
「予言の自己成就」や 「自己充足的予言」
(self-fulfiling prophecy)
などとよんでいます。
ですから、人間関係を大切にしていきたい相手やパートナーには
ぜひ、自己充足的予言、
してみてください。
相手に絶大なエネルギーを与えることになり
あなたの価値が上がること
間違いないと思います。
よく「あなたのことを大切に思っているから心配してるのよ」
と言う方がおられますが、
私から言わせていただきますと、
その意識は大切に思っていたとしても
やっていることは足を引っ張ることに他ならないと思います。
今すぐやめてくださいね!
心配ではなくて
相手を信じて、期待することです。
また、この法則は、
予期や期待の対象が他人ではなく
自分自身になっても
同じようにあてはまります。
それから、教師-生徒や親-子の場合にも
強力に。。。
また機会があれば
詳しく書きたいと思います。
ではまた。
失礼いたします。
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